生きてるよ

本当は読んだ本の感想をたくさん書きたいけど、相変わらず続かないね。卑猥な書き込みが並ぶのがいやなので、ここいらで読んだ本を一気に列挙。


どの短編も意外性に満ちていて面白い。もうすぐ続編が出るそうで、そちらも楽しみ。


タイトル通り、物語全編を通して質問→回答の繰り返し。その徹底ぶりは素晴らしいんけだど、「質問している人間は誰なのか?」という謎の答えがもっと奇抜なものだったらよりよかった。途中であっさりと明らかになって、しかもその内容がこちらの想定内だからなあ。


城山三郎半村良吉村昭など、普通だったらまず読まないような作家たちの短編がずらりと。
死体の一人称の小説というのは前例があったんですか。


法廷物の戯曲。
真相から結末に至る流れが鮮やか。もっとクリスティ読もう。


何年か読書を続けてわかってきたことは、二者の視点から語られるミステリは大抵○○トリックが使われているということです。


こ、こうきゅうがすごいことに……!


か、かひりんとこさんじょうが……!


小説内のキャラクターが死んだだけなのに、なんだろうこの喪失感。


物語は新しい次元に入ってしまった。ここからは様々な集団の思惑が絡み合って一層入り組んだ展開になりそうです。


ゲームブック
15回くらい死んだ。一応考えれば分かるようにできていないこともないかもしれない。


内田樹は、我々の身近な問題に対して、新しくて鋭い視点を分かりやすい文章で提供してくれる。だからついつい読んじゃう。
「手元にリセットボタンを握りしめて結婚生活をしている人間は、まさにリセット可能であるがゆえに、その可能性を試してみたいという無意識の欲望を自制することができない」


もっと詳しく説明してほしい!と物足りなく思う項目もあるけれど、ガイド的な書だから贅沢言っちゃいけませんよね。
自由主義と民主主義の違いがよく分かった。この本読まなくてもそれくらい知っとけよ、という話ですが。


著者がインタビューで「5人の読者がいるとして、全員が80点をつけるような作品よりも、4人は0点をつけて残りの一人が100点満点をつけてくれるような作品が書きたい」というような発言があったんだけど、この小説は全員が80点をつける小説じゃないかなあ。


ラスト一文に趣向を凝らした連作短編集。
一作目はゾクッとする。二作目は深い余韻を残す。三作目は脱力。四作目は既読済みだから今回は飛ばす。五作目はそういう仕掛けはなかった。
米澤穂信ももっと読もう。




どうしたってあの超超大作である「水滸伝」と比べると見劣りするのは否めないよなあ、なんて我がままを言いながら読みつつ、読了後は胸一杯で続編を読む気満々なのである。


2007年の作品で、著者は1930年生まれ。77歳にしてこんなみずみずしい作品を書けるというのが信じられません。
第二次世界大戦終戦前後が舞台。日々荒廃していく日本の中に、ミッションスクール、女学生、女子が女子を慕う関係、交換日記、海外文学、西洋美術といった要素が一層の神秘性を解き放っている。
鏡の仕掛けは、正直よく分からなかった……。手元にある手鏡二枚をいじってみたけど、どうやれば小説の通りになるの?


生きづらい今の社会に生きる僕たちみたいに平凡な人間でも、明るい未来が見えない閉塞した毎日でも、ドラマのように輝ける瞬間がある。本を読んで希望が得られたのは久々かもしれない(そういう本を選んでないし、そういう効果を求めてないから)。著者の信念を見た気がした。