4冊目

「こんなことをする必要があるのだろうか。無駄なことをしているのだろうか。そこまでして、守らなければならないものなのだろうか。だが、続いていく、とはそういうことなのだ」


きのうの世界

きのうの世界




円状の道を同じ地点から双子の老婆が逆方向に向かって同じ速度で散歩する。毎日、決まった時間に。この設定がすごく好き。ミステリアスな雰囲気があるし、その街の日常が見えてくる。思ったほど重要な要素にならなかったのが残念だけど。
真相は、明らかになった瞬間はさほど衝撃は受けなかった。その代り、読了後、その光景が頭の中で鮮明に浮かび、いつまでも焼き付いている。こんなにダイナミックな世界を文字だけで読み手の脳内に作らせることができるってのは憧れる。
直木賞候補作。どうなりますかね。




★★★☆