2冊目

「ふりむくな うしろには夢がない」
「ファンというのは馬券の名を借りて自分を買うのである」


競馬への望郷 (角川文庫)

競馬への望郷 (角川文庫)



ドラクエは主人公が喋らないから主人公に感情移入ができて、「主人公=自分」と思うことができるけど、競馬も同じかもしれない。馬も喋らないから。そうして、片目の人間が片目の馬に入れ込むように、逃亡者が逃げ馬の馬券を買うように、人生の落伍者たちが未勝利戦を愛するように、馬たちに自分を投影することができる。競馬は「ギャンブル」という言葉でも「スポーツ」という言葉でも本質に全然届かないよなと思っていたけど、「もう一つの人生」というものがそこにあるのかもしれないな、と。
僕はそういう経験は少ないけど、浦和記念シーキングザダイヤには変に感情移入しまくったことがあった。



★★★★