いちがつのどくしょ

これが今年最初の日記かよ!!





ラストの伏線回収3連発にやられた。なんでもない言葉で感動させるやり方が上手いなあ。普通「痴漢は死ね」なんて言葉で感動しませんって。
先月の直木賞にノミネートされてなくてショックを受けたけど、次回に回されたということなのね。今度こそ獲れるんじゃないかな!?



奇怪な世界を平然と書き綴っていく様が異様。描写が足りないことが、逆に無茶苦茶な設定(例えば、弁当の容器が人間の首だったり、家具と恋愛やセックスをしたり)を成立させることに役立っている。


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現代の常識は未来の非常識かあ。


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さっぱりわかりませんでした。


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期待したんだけど。白鳥はただの嫌な奴だし、展開もワンパターン。殺人の動機もなんだかなあ。
事件解決してからが面白かった。



いやもう榎木津はこれまで読んできた小説の中で最高のキャラクターだと思う。実際に知り合いになるのはちょっと嫌だけど、ずっとずっと見ていたい。



「公」の意識を喚起させる記述が目立ったけど、「9,11」を完全に他人事として見ていた僕には、そういう意識を持つのは難しい。あくまで「私」の領域からスタートすることしかできない。自分自身が、その周囲の人が幸福にできるためにできることを行う。その延長線上に「公」というのが存在するという、そんなイメージ。


スポーツと違って、勉強はなぜかやりすぎると人を歪ませることが多いね。
子供ができたら小中は公立に行かせよう、そんな短絡的な感想を抱く。


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体と心にプラスして、血まで繋がってしまうと、もうどうやったって断ち切れない、粘っこい繋がりが見えてくる。描写が特別優れているとは思わないんだけど、作品の奥に秘められた狂気に、ぐいぐい引きつけられていく。
読み終えて半月が経つけど、淳悟と花の親子が未だに頭の中に住み着いている。背徳感に満ち溢れ、だけどたまらなく魅力的。



境界にまつわる話なのかな。
殺人犯と常人。テレビの向こう側とこちら側。姉と妹。表の世界と裏の世界。それはあるときは歴然と聳え立ち、あるときはひどくあやふやなものとなる。夜の闇のように。



「幸福な家庭であるからこそ、それを超克しなければならない」かあ。
こういう、野心的な男性を促す意見を見ると、憧れもするけど、僕には向かないよな、とも考える。小市民的な、ささやかな暮らしを望みたくなってしまう。だけどだからこそ、この本で勧めるようなあり方が、もしくは寺山修司本人の生き方が、特別魅力的に思えるのかもしれない。


永遠の出口 (集英社文庫(日本))

永遠の出口 (集英社文庫(日本))


思春期の少年少女の物語を読むのはやっぱり楽しい。無力で不安定で、知らないことばかりで、だけどひたむきで眩しくて。主人公の視点で、もうひとつの思春期を過ごさせてもらった気分。


カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)


再読。
長かった。長かったよ。
凄く疲れた。だけど少し元気が出る。なぜなら登場人物が皆数ページに渡って延々と喋り続けるほど雄弁だから。喋ることに己の力全てを出し尽くしているように見えて、発言の内容が醜悪であっても不思議と爽快な気持ちになる。
前回はめんどくさくて山場である「大審問官」を読み飛ばしたのだけど、今回はちゃんと読んだ。確かに自由に耐えられなくなることあるよな、と思った。今とか、たまにね。
ドミートリイが好きになった。直情的だけど素直で憎めないいい奴。グルーシェニカの「あたしだって一本の葱を恵んだことがあるんだもの」に感動。人間を肯定してくれる一言だなと思った。
下巻のイワンとスメルジャコフとのやりとりが一番きつかった。だって700ページも前の伏線なんて覚えてないよ。ましてや特別集中して読んだ「大審問官」の直後だったから、その辺り気を抜いて読んでたかも。


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1月というか、今日読み終えた本。
いつもの森見節とは違った、抑制の効いた静かな文章。それが京都の町の妖しい雰囲気をかもし出していると思う。