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ブログを移行して続けてたけど、
やっぱりはてなのほうが使い慣れていてやりやすいので、こっちで書くことにします。
今は年始で気分も一新されているので、今月中旬あたりまでは更新に対するモチベーションが高いと思いますが、下旬にさしかかったあたりから失速してくるんじゃないでしょうかね。








さっそく、誰も知らないだろうけれど年末恒例で行っている、面白かった小説ベスト10。








10位

恋文の技術

恋文の技術

電車の中で読んでいて、笑い層になるのを頑張って我慢して、だけどあまりにおかしい記述が続いたから最終的には周囲の目なんてどうでもいいやと開き直ってにやにや笑いながら読み進めました。




9位

サクリファイス

サクリファイス


スリードからの真相解明が鮮やかだった。それまで見えていた構図が綺麗に裏返って、亡くなった人間の本当の感情が明らかになり、「サクリファイス」というタイトルが重い響きを持つ。



8位

七回死んだ男 (講談社文庫)

七回死んだ男 (講談社文庫)


SFやミステリーが本来的に所持している「バカバカしさ」という要素を最大限に生かした作品。くだらない要素が多くて、笑えて、しかもその一つ一つがちゃんとミステリーの構成要素になっている。



7位

聖女の救済

聖女の救済


トリックが凄かった。こういう観点からトリックを考えついた犯人の執念の凄まじさに恐れ入った。もちろん作者にも。



6位

ファミリーポートレイト

ファミリーポートレイト


一作ごとに進化を遂げていく印象がある。
虐待されながらも互いが互いを強く求めあう母子関係の強さに圧倒される。逃避行の際に訪れる街も存在感が強い。



5位

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)


2009年話題になった新人作家だったけれど、噂に違わぬ傑作。最低な人間や狂った人間たちが巻き起こす前半40ページの怒涛の展開に目を回し、中盤に続々現れる秘境に生息する気持ち悪い虫(?)たちの描写に不快感を催し、終盤のまさかのミステリー的結末に意表を突かれる。今後注目の作家さんです。
デビュー作の「粘膜人間」もグロテスクという観点ではこの作品をはるかに凌いでいた。



4位

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)


メッセージ性の強い作品で、そのメッセージに深く感応してしまった。本を読んで勇気づけられるっていうのは久しぶりかもしれない。



3位

女王国の城 (創元クライム・クラブ)

女王国の城 (創元クライム・クラブ)


これこそミステリー!と思わせてくれる殺人。閉鎖空間で行われる殺人事件という典型的なスタイルを取っていて、驚くほど完成度が高い。主人公たちの掛け合いもほのぼのとしていて楽しかった。



2位


短編集だったけれど、どれも変わった趣向を凝らしていて面白い。特に「交換日記はじめました!」は、結末が到底予測のつかない地点へ運ばれて行って愕然。平易な文体でさりげなく書かれているようで、実はぷろっとについてとてつもなく考えているんじゃないだろうか。
恋愛に奥手な冴えない人たちを取り上げる小説はありそうでないのでこの人は貴重。草食系男子なんて(僕みたいな)人が増えてるんだから、そういう需要は増えてくるんじゃないかなあどうだろう。



1位

NO CALL NO LIFE (角川文庫)

NO CALL NO LIFE (角川文庫)


本来このベスト10を考えるときに再読本は入れない(というかそもそもめったに再読をしない)んだけど、今年は例年に比べて不作だったのと、初読時と比べて受けたインパクトがあまりに違ったので、今年はルールを変えて再読本を一位に持ってきました。ちなみに2007年のベスト10で10位に挙げている。
最初読んだ時も10位に挙げたくらいだから相当の感動はしたはずなんだけど、今回文庫を買って改めて読んだら、結末があまりに切なすぎて、今まで小説でこんなに泣いたことないよっていうくらい涙ぼろぼろぼろぼろとこぼれてくるじゃないですか。特別傑作とも思わないんだけど、自分のツボにはまってしまったらしい。なぜ最初に読んだ時にそうならなかったのかは不明。2年間でいろいろ変わったということなんでしょうか。
この人のラノベはあまり好きじゃないけれど、一般文芸進出第一作の本作は僕の心にいつまでも残り続けるであろう大変な小説になりました。今年はこの人の本を読んでいこうかなあと思います。






その他2009年の読書について。
作家別読書冊数を調べてみたら、米澤穂信が六冊。ようやく古典部シリーズを読み始めたからです。
北村薫も六冊(アンソロジーをいれると七冊)。円紫さんシリーズがうち五冊。続編書いてほしい!
人気沸騰道尾秀介が5冊(再読入れると6冊)。
北方謙三が楊令伝と楊家将合わせて六冊。

綾辻行人の暗黒館や島田荘司のアトポスは長すぎだと思う。

伊坂幸太郎は読者を減らそうと奮闘中なのか。個人的には、あるキングは受け入れられたけどSOSの猿は受け入れられなかった。新刊が出たらすぐ買い求める数少ない作家だけど、これから先はどうなるか分からない。