本の感想くらいは書き続けようと思ったんだけど、全然続けられてないし……
ここ1カ月で読んだ本を、覚えている限りまとめて更新。



リリイの籠

リリイの籠


この手の連作短編は食傷気味。
そろそろ長編を書いてほしいなあ。


カウントダウンノベルズ

カウントダウンノベルズ


でもこれはよかった。
こういう企画は好き。


探偵倶楽部 (角川文庫)

探偵倶楽部 (角川文庫)


なるほどと思う。
それ以上の感想が浮かばない。


風が強く吹いている

風が強く吹いている


スポーツものによくある、素人(弱小)選手たちの無謀な試みを描く物語って、無謀だからこそその実現の過程に説得力がないと机上の空論にしか見えなくてリアリティを感じられなくなってしまう。
この小説はまさにそれだった。これはさすがに無理だ。
面白かったといえば面白かったけどさ。


どんどん橋、落ちた (講談社文庫)

どんどん橋、落ちた (講談社文庫)


ミステリーの新たな可能性を見せてくれたというか、袋小路に追い詰められたというか。
作者はいろいろ悩んでたんだなあ、というのが伝わってくる。
もっとじっくり考えれば真相に辿りつけそうだったのに、という短編がいくつかあって、ちょっと悔しかった。
いつか推理小説の真相を完全に当ててみたいなあ。


地獄変 (集英社文庫)

地獄変 (集英社文庫)


蜘蛛の糸」のお釈迦様は自分勝手だと思った。
どんな悪い奴でも誰だって多少のいいことは人生においてしているはずなのだ。その程度じゃ極楽に引き上げる理由にはならない。そして、助けてやりたいと思うのならもっと確実な方法で助けるべきだった。あんな頼りない糸だったら、誰だって後続集団を振り落とそうとするって。
お釈迦様のちょっとした気まぐれが結果的にカンダタの心を弄んでしまった。中途半端な温情って残酷だよね。
という感じで、以前読んだ時と感想が全然違う……


こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)


買ったのは集英社文庫
私は先生の何に魅かれたんだろう?


テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 下 花風の巻

テンペスト 下 花風の巻


とんでもなく面白い。
シャングリ・ラも傑作だったけど、これは更にその上を行っている。
展開がころころ変わる。起承転結が基本的なストーリー展開だとすれば、この小説は起転転転転転転転転結、みたいな感じ。
主人公もわき役も、状況が次々と変わる。栄華を極めた次の瞬間には奈落の底に突き落とされ、そのまた後にはさらに別の人生が待ち受ける。一瞬たりとも気が抜けない。どこへ話が向いていくのかが読めない。わくわく感が止まらない。
一気に読みたい気持ちにさせられるけれど、もったいないから一日100ページと決めて読んだ。とにかくもう一生読み続けていたかった。こんな壮大なストーリーをたった一人の人間が文章だけで作り上げてしまったということがすごい。ただのインクのしみがこれだけ人の心を躍らせるというのがすごい。
小説ってすごい。小説家ってすごい。
こういう気持にさせられる小説にどれだけ出会えるだろうと思うし、そういう世界を自分が作り出せたらどれだけ幸福だろうと思う。


偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)


キャラの会話がおもしろすぎて、ストーリーが邪魔。
本当は俺ストーリーの面白さを第一に考える人なのに。