確かにラノベよりはこっちでしょう

荒野

荒野



楊令伝を除くと、久々のハードカバー購入。
12歳から16歳まで、少女から女へと少しずつ変貌していく様子がとてもまぶしい。自分じゃなんとなーくこの時期を過ごしてしまったけど、子供が大人に変わっていく10代ってのは、爽やかなだけじゃなくて一種妖しい魅力も潜んでいるような感じがした。文体もちょうどそんな印象。赤朽葉家や私の男ほどではなかったけれど、それでも頑張ってハード買ったことにたいしては大いに満足。
ちょっとネタバレ的なことを言うと、最初は潔癖症だった主人公がやがて人が自分に触れることを受け入れていく、最初は眼鏡越しに世界を覗くのが好きだった主人公がやがてコンタクトに変えて世界のすべてをそのまま見ようと思う、それなのに、最初セックスに嫌悪感を抱いて自分は大きくなってもこんなことはしないという決意はそのまま変わらないのはなぜなんだろう。それはやっぱり恋愛をする上で避けては通れないことだから、いずれは克服すべき点であると思うんだけど。