「ROOKIES1〜14」 森田まさのり

ROOKIES 1 (集英社文庫(コミック版))

ROOKIES 1 (集英社文庫(コミック版))




ジャンプで連載していた当時はよく読んでいた作品。
今回のドラマ化がきっかけで猛烈に読みたくなって、5月の給料で全14巻を一気に購入してしまった。
人生初の大人買い
スカッとするね。



全巻通して何度も泣けた。
初めて読んだ時は練習試合で新庄が仲間の元に戻ってくるところが一番感動したけど、今回印象に残ったのは桧山が自分に対する代打を受け入れる場面。それは、目黒川との練習試合でのピンチヒッター平塚のシーンと、最終巻のこれまた目黒川戦で、自ら若菜との代打を申し出るシーン。試合で活躍する場面はほとんどなかったけど、屈辱を受け入れる姿勢についつい泣かされた。



10年前の作品だけど、その当時だって熱血教師に不良という組み合わせは古臭く思われていたはずだ。
じゃあこの作品の新しいところがなんなのか、考えてみた。
それは熱血教師に隙がありすぎることなんだと思う。
それはたとえば、遅刻癖があること、間が抜けていること。
そして何より何度も反省してるのに怒りにかられると我を忘れて手を出してしまうこと。
だから教師についていく不良たちがただひたすら尊敬するだけじゃなくて、時に馬鹿にしてみせたり、時にはキレた教師を不良生徒が必死に抑えることで教える教えられるの関係が逆転してしまったりする。
そういうあたりが新鮮だったのかな。



以前と比べて川藤が夢を問いかけるのがうざったく感じるようになった。夢を持つことは素晴らしいとは思うけど、だからといって押しつけるのは違う。リアルタイムで読んでいた中高生の頃はそのメッセージに憧れを抱いたけど、今読むと少し押しつけがましいように思う。まるで夢がないのがいけないことだと言われているかのよう。
それでも、やっぱり川藤というキャラクターが夢という言葉を語ると、心を動かされる。甲子園という夢に向かって邁進する生徒たちを見ると、その純粋さがうらやましくなる。
そしてわが身を振り返る。
俺の場合は、少なくとも仕事には見いだせないだろうなあ。
思うことはあるけれど、この辺はうやむやのまま終わり。