今年面白かった10の小説

就職して読むペースが遅くなると思いきや、さほど忙しくなかったので月10冊くらいは読めたかな。



10位

疾走 上 (角川文庫)

疾走 上 (角川文庫)

疾走 下 (角川文庫)

疾走 下 (角川文庫)

想像を絶するほどの過酷な道を生きる少年のひりひりとした世界の厳しさが痛々しくて、途中読んでいてつらかった。




9位

零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス)

零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス)

化物語で磨いた会話の面白さがグレードアップして登場。冒頭の曲識と人識のやりとりは素晴らしかった。




8位

インシテミル

インシテミル

主人公の思考やメタ的な設定に、同時代性を感じた。これは僕たちの世代のための本格ミステリ




7位

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

最高にバカバカしかった。4つのパラレルワールドが語られるので、そのバカバカしいフレーズが何度も繰り返されて、そのたびに笑いがこみあげ、回を重ねるごとに笑いが増幅していく。




6位

私の男

私の男

背徳感たっぷりで、たまらなく魅力的。体と心にプラスして、血までつながってしまうと、もうどうやったって断ち切れない、粘っこいつながりが見えてくる。




5位

モダンタイムス (Morning NOVELS)

モダンタイムス (Morning NOVELS)

最初はこの小説がどんな物語なのかなかなか判明せず、中盤にきてようやくそれが見えてくる。先の展開を意識せず締め切りに合わせて次回の内容を考えていたらしいけど、いかにもそんな物語展開。そういうわけで全体としてはあまりまとまっていないんだけど、毎号毎号読者の興味を引き付けるために常に最大限のサービス精神を発揮していて、最初から最後までぬかりなく面白い。




4位

覘き小平次 (角川文庫)

覘き小平次 (角川文庫)

なんだろうこの濃密な空気。酔った。喫茶店で読み終えて顔をあげたとき、世界がどんよりして見えた。




3位

DIVE!! 上 (角川文庫)

DIVE!! 上 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

一途に高みを目指す少年たちの姿が眩しくてしょうがない。平易な文章の裏に、少年という生き物が持つ純粋のような無垢のような残酷のような悪魔的のようななんだかよく分からないけどとてつもなく恐ろしい何かがひそんでいるような感じがして、ゾクゾクした。このつかみどころのない感覚を確かめるために、そのうちもう一回読まないと。




2位

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 下 花風の巻

テンペスト 下 花風の巻

前々回の日記で書いたので省略。




1位

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

水滸伝 19 旌旗の章 (集英社文庫)

水滸伝 19 旌旗の章 (集英社文庫)

1位2位に歴史小説が並ぶって、これまでの読書傾向からしてみれば異様なこと。この一年は、この2作が飛びぬけて素晴らしかった。水滸伝のことは以前にもここかmixiで書いた気がするので詳しくは触れないでおこう。それにしても今年は北方謙三の割合が圧倒的に高かった。水滸伝19冊、読本1冊、続編の楊令伝6冊、三国志12冊、ハードボイルド1冊、人生相談1冊。合計40冊。4分の1を北方謙三で占めていることになるわけです。ただ作品数でいえば3作になってしまうわけだけど……。




今年は傑作だと思えた作品数自体は少なかったけど、テンペスト水滸伝に出会えたということで質的には素晴らしかった。特に水滸伝はこれまで読んだ本の中で一番好きな作品になった。
来年こそは、積読本を……
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